2012 年 68 巻 1 号 p. 203-215
我が国において,桁のウェブに相対的に低強度の鋼材を用いる鋼および合成ハイブリッド桁橋の建設は一般的ではない.この背景を,我が国の道路橋示方書に準じて設計が可能となるか,あるいは新たな設計法への移行が欠かせないか,という観点からの考察,あわせてこのタイプの橋の経済的有意性,適用性についての考察を加えて明らかにする.検討結果より,実際の適用にあたり,競争的な設計を行うには限界状態設計法への移行が欠かせないことを示す.また,本論文で設定する性能照査法をベースとしてハイブリッド桁の有用性を示すとともに,更なる検討課題も明らかにする.ハイブリッド桁の設計にあたり議論となるせん断強度評価法についての検討もあわせて行い,ハイブリッド桁の曲げ強度,せん断強度および曲げとせん断の相関強度の評価方法を提案する.