抄録
レベル2地震に対する鋼上路式アーチ橋の耐震補強対策の一つとして,製品ダンパーを用いた制震工法とは異なる既設の対傾構や下横構を利用した,部材耐力が増加しないエネルギー吸収型の補強方法を提案した.本検討では45%縮小模型供試体による実験及び解析的に性能確認を行った結果,変形能向上型の本提案構造により,既設部材の全体座屈の抑止とともに変形性能が向上し,設計上の要求性能を満足する変形性能が得られることを示した.また,既設部材と拘束部材との接触現象を考慮したFEM解析により,実験結果を概ね再現できることを示した.さらに,実橋の地震応答解析へ実用レベルの反映方法を検討し,バイリニア型の材料構成則でも実験結果に近い材料構成則を反映した最大応答値とほぼ同等の結果が得られる事例を示した.