抄録
日本における震度は,周波数補正を施した3成分合成加速度から算出される計測震度が用いられ,10階級の気象庁震度階級として公表されている.このとき用いられる加速度振幅は,その値以上の継続時間の合計が0.3秒となるときの値であるために,それ以外の時間帯における加速度振幅の大小に依存しないことになる.本研究は,震度の時系列表示法について検討を加え,移動実効値法を用いた震度の最大値と計測震度の関係について比較検討した.また,地震時間帯全体の加速度変動量を考慮した震度の評価法として,移動実効値法による震度の時系列表示を利用した修正震度の算定法を提案した.