土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第31-b巻
震源断層近傍の地震動上下成分・位相波特性の解析とそれに基づく上下成分波形の作成方法
中村 真貴原田 隆典金井 則之野中 哲也児玉 喜秀本橋 英樹
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 68 巻 4 号 p. I_1-I_12

詳細
抄録

 震源断層近傍の強震観測記録の蓄積に伴い,水平成分に比べると最大加速度,最大速度の大きい地震動上下成分が観測されてきている.そこで本論文では,わが国で最近発生した内陸被害地震の震源断層近傍(断層最短距離20km以内)における強震観測記録を用いて,表層地盤特性を考慮して,地震動上下成分と水平成分のフーリエスペクトル振幅比の平均値と標準偏差の周期特性を求めた.また,震源断層の極近傍での観測記録は極めて少ない現状を補う目的で,逆断層地震を想定した震源断層モデルから理論的に得られる岩盤における震源断層の極近傍(0.5km~10km以内)の地震動上下成分と水平成分のフーリエスペクトル振幅比の特性を求めた.これらのフーリエスペクトル振幅比特性と位相波特性を用いて,地震動水平成分波形が与えられた場合における地震動上下成分波形の作成法と数値計算例を示した.

著者関連情報
© 2012 公益社団法人 土木学会
次の記事
feedback
Top