土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第31-b巻
設計用入力地震動評価における位相特性の補正方法に関する研究
長尾 毅山田 雅行野津 厚
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2012 年 68 巻 4 号 p. I_13-I_19

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抄録

 設計入力地震動を時刻歴波形として評価する際に,対象地点の強震記録が得られていないために,近傍のサイト増幅特性と対象地点の常時微動H/Vスペクトルをもとに対象地点のサイト増幅特性評価を行う場合について,近傍地点と対象地点の位相変化(位相特性)を合理的に評価する方法について検討を行った.
 サイト増幅特性の補正方法として,強震記録及び常時微動記録を用いた3種類の補正方法を考慮し,位相特性について使用する観測記録及びその補正の有無,工学的基盤への引き戻し条件によって5種類のモデル化を組み合わせて,サイト増幅特性と位相特性の補正を行った工学的基盤相当の時刻歴波形の算定を行った.得られた時刻歴波形のエンベロープや最大加速度から,サイト増幅特性の補正方法によって変化はあるものの,近傍強震観測点の観測記録に対してサイト増幅特性の周波数の変化分を位相特性には補正を行わないものを用いても,実務的には不都合のない設計用入力地震動であることが明らかになった.

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© 2012 公益社団法人 土木学会
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