2012 年 68 巻 4 号 p. I_220-I_226
大阪南部地域にて実施された微動アレイ観測データをSPAC法,CCA法,nc-CCA法,V法にて解析し,各手法の解析能の違いを調べた.観測アレイ半径は10mから1000m程度であり,深さ1km内外までの堆積層のS波速度の推定を目的としたものである.全半径のアレイ観測を統合したSPAC法による位相速度推定値を真値と仮定し各手法の解析能を比較した.その結果,半径50m程度以下のアレイ観測ではCCA法とV法の解析可能波長は4点SPAC法の2倍以上であることがわかった.一方,半径100m以上のアレイ観測ではCCA法,nc-CCA法,V法はSPAC法と同程度の解析能力を有することがわかった.