抄録
インドネシア・スマトラ島中西部の主要都市であるパダンを対象に,常時微動観測に基づき地盤構造のモデル化と地震動増幅特性の推定を行った.常時微動観測の結果として,単点三成分観測によるHVスペクトル比の分布と,4台のセンサーを利用したアレイ観測によるレイリー波位相速度の分散曲線を求め,これらの情報を組み合わせることにより地盤のせん断波速度構造のモデル化を行った.本研究による地盤構造モデルは,基盤より浅部の堆積層をせん断波速度200m/sと400から700m/sの二層に分割したものとなった.設定した地盤構造モデルに基づき,パダン市街地を南北と東西に走る二つの測線に沿って,一次元有限要素解析により地震動の水平成分の増幅率の推定を行った.その結果,堆積層の層厚が異なることにより,地震動の増幅率が大きくなる領域が見出された.