2013 年 69 巻 3 号 p. 416-428
既設鋼床版の疲労き裂への対策として,鋼繊維補強コンクリート(SFRC)舗装による補強工法が提案されている.この補強工法は,既設の舗装を剛性の高いSFRCに置き換え,デッキプレートとSFRC舗装を接着材により一体化させることで,鋼床版の局部応力の大幅な低減を図るものである.著者らは,同工法の実橋への適用にあたって,耐久性に係る信頼性を確保するために,小型試験体を用いた接着材接合面の強度試験,SFRC舗装を敷設した実大鋼床版試験体を用いた輪荷重走行試験を行い強度,耐久性を評価するとともに,試験結果や既往の施工事例等を踏まえ設計・施工法をとりまとめた.本文ではこれら一連の検討結果のうち,補強工法の概要を説明するとともに,接合面の耐久性の評価に関わる試験内容及び試験結果について報告する.