2013 年 69 巻 4 号 p. I_102-I_110
本研究では,津波の影響を受けた橋梁の抵抗特性の検証を目的として,東日本大震災における橋の流出モードを踏まえ,支承部の抵抗特性に着目した実験を行った.4本の主桁で構成される上部構造を有する実橋梁を対象に,上下部構造を含めた縮小供試体を作成し,上部構造に津波によって生じる作用を模した荷重を載荷し,その時の個々の支承の破壊形態と,一支承線全体としての終局耐力について考察した.その結果,支承の破壊は設計計算で最も上向きの終局耐力が小さくなるサイドブロック本体ではなく,サイドブロック取付ボルトの破断によることや,その耐力は標準設計手法に基づく耐力よりも大きくなることを確認した.また,上部構造を含めた梁ばねモデルにより,一支承線全体に対する構造解析を行った結果,実験結果を比較的精度よく再現することが可能であることがわかった.