抄録
本研究では,広域な道路ネットワークの地震による途絶確率を把握する目的で,斜面の崩壊確率の簡易的な算定手法の提案を行った.国土交通省から提供を受けた六甲全山の地形データ,1995年兵庫県南部地震の斜面崩壊領域データ,地表面加速度データなどをもとに,全斜面から補強斜面を除外した.斜面の勾配,平均曲率,地表面最大加速度を説明変数としたロジスティック回帰分析とともに,平均曲率を除いた回帰分析も行った.その結果,斜面の勾配,地表面最大加速度に基づく斜面の崩壊確率の推定式が,兵庫県南部地震における実崩壊状況と整合し,実用化の可能性を有することが確かめられた.