抄録
我が国の3大都市圏には海抜0m地帯が広く分布していることから,切迫する南海トラフの巨大地震など継続時間の長い地震動に対する河川,海岸堤防の耐震性評価の精度向上が重要となる.本研究では,2011年東北地方太平洋沖地震,2003年宮城県北部の地震,1978年宮城県沖地震において被害程度の異なる鳴瀬川河川堤防地点に対して,微動観測に基づく地震動を推定した.当該地点において1次元の全応力地震応答解析によるせん断応力の時刻歴応答と累積損傷度理論に基づいて液状化指数を算定し,地震被害と算定値との関係を検討した.その結果,巨大海溝型地震のような継続時間の長い強震動に対しても,本簡易液状化評価手法が,液状化を伴う土構造物の耐震性検討の有効な1次スクリーニング手法となる可能性を有することが分かった.