2013 年 69 巻 4 号 p. I_473-I_478
近年,スマトラ島沖で多発している地震では,マレーシアの都市でも揺れが観測されており,マレーシア政府は耐震設計基準の導入を検討している.そこで本研究では,ペナン島の東海岸地域を対象地域として地盤構造の解明を目的とした微動アレー観測を行った.得られた観測データより,地震動のマイクロゾーニングに資するための基礎的検討として,SPAC法を用いてRayleigh波の位相速度の分散曲線を推定した.また,速度構造モデルを推定し,H/Vスペクトル比によってそのモデルの妥当性を検討した.H/Vスペクトル比に現れる地盤の卓越周期の特徴より,表層地盤と工学的基盤のS波速度コントラストは概して明確で,表層厚さは高々数十メートルであることが推定された.