2013 年 69 巻 4 号 p. I_528-I_538
近年,我が国では多くの地震が発生し多くの犠牲者が発生した.地域住民の地震あるいは津波に対するリスク認知が不十分なために被害が拡大したと言われ,多くの地域ではそれらを教訓に自主防災活動に取り組み始めた.しかし,地域におけるリスク認知度に大きな個人差があり,活動の弊害になっていることも事実である.本研究では,2007年能登半島地震を経験した輪島市臨港地域周辺の住民を対象としたワークショップを実施し,地域の脆弱性や地域間におけるリスク認知の不十分さを整理した上で,地域住民と行政が双方向的なリスクコミュニケーションを行うことで地域防災力向上の可能性について研究を行うことを目的とする.