2013 年 69 巻 4 号 p. I_571-I_582
多径間連続構造の耐震性向上策の一つとして,反重力すべり支承(Uplifting Slide Shoe : UPSS)が提案されている.UPSSは常時状態の橋桁の温度収縮を水平面部のすべりで吸収し,地震時には上沓が下沓をすべり上がることで水平変位を鉛直変位(位置エネルギー)に変換させて,水平方向の応答を低減するものである.本研究では,ゴム支承やUPSSを用いた多径間連続橋を対象に,温度変化等に起因する桁伸縮による不静定力の影響を考慮した地震応答解析を行い,応答結果を分析することで,UPSSの有効性を明らかにした.