2013 年 69 巻 4 号 p. I_592-I_600
本論文は,橋梁の制震設計に際し,粘性型と履歴型の制震ダンパーを組み合わせた性能の設定方法と実橋梁モデルへの適用性を応答スペクトルを利用して検証したものである.まず,ゴム支承を用いた分散橋に制震ダンパーを適用した1質点系モデルに対し,制震ダンパーの目標変位と必要抵抗力を求める非線形応答スペクトル曲線を設定した.その後,既設橋梁を対象にゴム支承と制震ダンパーを設置し,制震ダンパーの性能をパラメトリックに変化させた橋梁全体系非線形動的解析を行い,提案手法による推定応答値との対比を行った.この結果,橋梁の周期特性や地震動特性により推定精度は異なるが,提案手法により目標変位を概ね推定できることを確認した.