2013 年 69 巻 4 号 p. I_678-I_687
2011年東北地方太平洋沖地震では,東京湾臨海部の埋立地の多くで液状化が発生した.東京都江東区新木場地区も液状化が生じた地域の一つであるが,液状化の発生・未発生範囲は明瞭に分かれており,埋立材料や埋立方法の違いが原因と考えられた.新木場地区では,工学的基盤を含めた複数の深度で地震観測を行う鉛直アレー地震観測が行われている.観測地点では液状化は確認されなかったが,ごく近傍地点で液状化が確認されている.二地点の工学的基盤の地震動は同じと想定されるため,液状化の発生の有無は表層地盤の液状化強度の違いが原因と考えられた.本研究では,有効応力非線形解析から,液状化した地点の液状化強度を検討した.その結果,埋立土層の液状化強度はRL20=0.18程度以下であると推定された.