2013 年 69 巻 4 号 p. I_909-I_918
本論文では,まず,継手の開きを地盤が拘束する影響について筆者らが提案した評価方法を見直し,多くの実トンネルにおける継手剛性の変化量と動的解析結果に現れる地震時応答への影響を再評価した.次に,ひびわれ発生による覆工剛性の変化を考慮して解析を実施し,解析結果に現れる地震時応答の変化を評価した.最後に,これらに基づき,地震時のトンネル縦断方向の地盤ひずみがあまり大きくならない場所では,継手に過度に期待せずに,縦断方向の鉄筋を,その引張降伏強度を覆工コンクリートの引張強度を上回るように配置すること,地盤ひずみが大きくなる場所では,地盤の継手の開きを拘束する影響を考慮して継手を配置し,覆工の平均ひずみを低減させることを基本とする耐震設計法をまとめた.