2014 年 70 巻 2 号 p. 221-226
対象とした橋梁は,大阪府内の遊園地内に架設された人道吊橋(中央支間長は62.4m,幅員は150cm)である.この遊園地にはゴールデンウィーク時に1万人/日もの来園者があり,橋面上の歩行者数を20~30人に制限しても,水平対称1次振動であれば約4.2cm,水平逆対称1次振動であれば約2.8cmもの,歩行が困難になるほどの水平振動が誘起されていた.そこで,制振対策として容器寸法(内寸法)が450mm×300mm×200mm(高さ)のTLDを採用し,水深を60mmに設定して抑制効果を把握するための実橋試験を行った.その結果,20~30人の歩行者に対して,ほぼ十分な制振効果が得られたことを確認できた.