2014 年 70 巻 4 号 p. I_101-I_108
澤田らは新しい耐震構造として摩擦機構を有する拘束集合柱を開発し,その実用化に向けて正負交番載荷実験を行っている.本研究では,集合柱の拘束条件の異なる6つの実験ケースに対して,3次元有限要素法による数値シミュレーションを実施した.モデル化は,柱を軸力変動の考慮できる非線形ファイバー要素,柱間の摩擦機構を非線形バネで行い,正負交番載荷状態は準静的に変位制御した.損傷箇所と荷重-変位関係に着目して解析モデルの検討を行った結果,応力経路や最大荷重等に対して実験結果と整合した解析結果が得られた.