2005年3月20日午前10時53分頃, 玄界灘を震源とする福岡県西方沖地震が発生した. この地震によって福岡県西区の玄界島の多くの木造建物が大きな被害を受けた. 近年, 広域災害時の情報収集の手段としてリモートセンシング技術が幅広く利用されている. そこで, 玄界島一帯を捉えた垂直航空写真と斜め航空写真を用いて, 建物一棟単位での被害判読を行った. 垂直航空写真の目視による被害判読を行った結果と現地調査によって得られたデータを比較すると, 早期対応を目的とする概略の被害把握が精度よく可能となることが確認できた.