2014 年 70 巻 5 号 p. II_106-II_119
社会基盤構造物は周辺環境から供給される水により様々な劣化現象を生じ,その機能に大きな影響を受ける.一般的に構造物の機能確保を目的として構造部材表面に防水システムを配置し,構造物内部への水の浸入を防止している.防水システムには高い耐久性と防水機能が求められているが,施工不良や想定外の損傷・劣化が発生することも考えなくてはならない.この場合,構造物内へ侵入した水を速やかに外部へ排出することが求められるが,構造物からの排水に関しては不明な部分が多い.このような状況を受け,「複合構造を対象とした防水・排水技術研究小委員会」では防水・排水技術に関する種々の検討を実施してきた.本論文ではその検討の概要について述べる.