2014 年 70 巻 5 号 p. II_81-II_95
孔あき鋼板ジベル(PBL)のせん断耐力は,複合構造標準示方書(土木学会)に,貫通鉄筋がある場合と,貫通鉄筋がない場合とに区別され記されている.この耐力算定式は,圧縮強度が60N/mm2を超えるようなコンクリートを用いる場合は適用範囲外である.また,PBLのせん断耐力は,鋼板孔内のコンクリートに作用する拘束力の影響が大きいとされている.そこで,圧縮強度が100N/mm2を超える高強度コンクリートと鋼の接合にPBLを用いることを念頭に,直接拘束力を作用させた貫通鉄筋のない実験を実施し,得られた結果から拘束効果とコンクリート強度の影響を取り入れたせん断耐力算定式を提案した.また,その適用性について合成桁を用いた部材実験により検討を行った.