皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
症例
アダリムマブで寛解しえた広範囲皮下膿瘍を伴う SAPHO 症候群の1 例
廣田 菜々子加藤 麻衣子中嶋 千紗柳原 茂人大磯 直毅諸富 真希子山本 俊幸川田 暁大塚 篤司
著者情報
ジャーナル 認証あり

2022 年 21 巻 4 号 p. 328-332

詳細
抄録

60歳,女性。初診の10年前より頸部,胸部,両側足関節の疼痛を認め, 5 年前より手掌足底に皮疹が出現し掌蹠膿疱症と診断された。 2 年前より胸部に発赤,排膿が出現し,近医で切開排膿,抗菌薬投与にて治療されたが改善・増悪を繰り返していた。 1 ヶ月前より,前胸部の発赤,腫脹,疼痛を認め切開排膿や抗菌薬点滴を行われたが改善が乏しかったため当科を紹介受診された。当科初診時に前胸部に発赤,腫脹,熱感,膿瘍,膿疱,胸鎖関節部の疼痛,炎症反応の上昇を認めた。胸部 MRI では胸骨と皮下に広範囲の膿瘍を認めた。臨床所見と画像所見から SAPHO 症候群と診断した。抗菌薬投与と切開排膿で改善しなかったためアダリムマブの投与を開始した。アダリムマブ開始 2 週間後には皮膚症状と骨関節症状は改善し,約 4 ヶ月でほぼ消失した。その後 1 年継続によって寛解を維持できた。SAPHO 症候群で関節症状に加え,広範囲の難治性皮下膿瘍に対してもアダリムマブは有効な選択肢となることが示唆された。 (皮膚の科学,21 : 328-332, 2022)

著者関連情報
© 2022 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top