抄録
既往の大規模地震による強震動の作用により被災もしくは無被災であった地点の地震動を事後評価する際,地震動評価手法の適用性を確認するために,観測地震動と推定地震動の比較がしばしば行われる.しかしながら,対象地点と周辺観測点の位置関係などに依存して,地震動の比較に基づく適用性確認だけでは十分であるとは言い難いケースも想定される.そこで本稿では,既存強震観測点よりもその数が圧倒的に多い墓地に着目し,墓石の転倒解析を地震動評価手法の適用性確認に利活用することを提案する.具体的には,2000年鳥取県西部地震の震源域内の墓地を一例として,墓地に作用した地震動を推定し,墓石の転倒解析を実施した結果,墓石の転倒率に関して実績値と推定値が比較的良い一致を示すことを示した.