土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第34巻(論文)
津波群集避難の創発解析のためのMASの利用方法に関する基礎的検討
田上 直樹堀 宗朗マッデゲデラ ラリス市村 強田中 聖三
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2015 年 71 巻 4 号 p. I_600-I_610

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抄録

 津波避難の円滑化を検討する手法として数値解析が考えられる.本論文は,避難者一人一人の避難行動の単純な和とは異なる群集避難の解析を創発解析として位置付け,具体的な解析方法としてMulti Agent System(MAS)を使う場合の利用方法を提案する. これは,さまざまな地震・津波のシナリオ下での避難状況を把握することと,遅延があった場合にその遅延を引き起こした要因を抽出すること,という二つの段階を経る.2011年東日本大震災の事例を基に,MASを使った津波群集避難シミュレーションを行い,避難状況の把握と遅延を引き起こした要因の抽出を試みた.この結果を基に創発解析としてのMASの有効性を検討した.

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© 2015 公益社団法人 土木学会
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