2015 年 71 巻 4 号 p. I_611-I_621
本研究では液状化地盤上の橋台の地震時の応答に関して基礎的な知見を得るために,まずはじめに入力波の周期や液状化層の位置が橋台を支える杭の応答に与える影響を把握することを目的にパラメトリック解析を実施した.正弦波を入力波とした解析では液状化による影響は杭頭部の変位が大きくなり,杭に作用する曲げモーメントも大きくなった.また液状化地盤では液状化層中の杭の曲げモーメントよりも液状化層の下側の地盤部分や杭頭部分で発生する曲げモーメントの方が大きくなった.次に特徴の異なる実地震動を入力波とした解析では,地震動の特徴や液状化層の厚さ,その深度によって地盤や橋台の挙動が変化していくことが確認でき,液状化の発生が考えられる地盤では複数の地震動での検討が必要であることがわかった.