2015 年 71 巻 4 号 p. I_697-I_712
南海トラフ巨大地震・首都直下地震の発生が懸念されている中,河川堤防と併せて,都心部に多く存在する河川の特殊堤についても耐震対策が検討されている.しかし,その特殊堤の地震時の詳細な挙動等についてはこれまで十分に研究が進められていない.本文では,特殊堤の効果的な耐震対策工法の検討や現行設計手法の適用性を検証するために,動的遠心模型実験を実施した.この実験にて取得した計測値を分析した結果,地盤改良による対策工の効果と,その対策工に関する現行設計の課題が明らかとなった.