土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第34巻(論文)
地盤改良杭によるもたれ壁の耐震補強工法に関する検討
池本 宏文谷口 善則高山 真揮高崎 秀明藤原 寅士良
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 71 巻 4 号 p. I_749-I_763

詳細
抄録

 地盤改良杭(以下,改良杭と称す)を用いたもたれ壁の耐震補強工法に関する補強効果および補強メカニズムの検討のため,重力場での振動台実験を実施した.その結果,改良杭を単独で用いた補強では,もたれ壁の転倒・滑動による崩壊に対しての補強効果は低いものの,改良杭よりも背面側の盛土の崩壊に対して,変形を抑制する効果があることが分かった.また,もたれ壁と改良杭の天端を連結材で繋ぐことにより,壁体,改良杭,および背面盛土が一体で挙動することで,もたれ壁の転倒・滑動を抑止し,耐震性が向上することを確認した.この補強メカニズムは,もたれ壁に作用する地震時の慣性力や主働土圧に対して,改良杭の前面,底面における地盤反力,および改良杭の周面抵抗力により抵抗するものであることが分かった.

著者関連情報
© 2015 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top