2016 年 72 巻 1 号 p. 234-249
2011年の東北地方太平洋沖地震では,短周期帯で強い加速度応答スペクトル特性をもつ地震動が観測された.このような地震動に対して橋脚自体が単独で振動する高次モードでの共振が懸念される上部構造をゴム支承で支持した橋を対象に,その動的挙動を明らかにするため,1/4縮尺模型による振動台実験を行った.その結果,動的解析結果と同様に短周期でRC橋脚自体が振動する挙動が確認された.一方,RC橋脚自体が短周期で振動する地震応答は,ひずみ速度効果及びディープビーム効果により,主にRC橋脚のせん断耐力を高める挙動となることを示した.また,結果の分析から,曲げ破壊型のRC橋脚は,仮にRC橋脚自体の振動で柱基部が曲げ降伏したとしても,長周期化することでRC橋脚の応答は増幅しにくくなり,破壊に至りにくいことを示した.