土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第35巻(論文)
木造建築物の解体角材を利用した液状化対策技術に関する模型振動実験
吉田 雅穂山口 謙太郎
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 72 巻 4 号 p. I_361-I_366

詳細
抄録

 丸太を用いた液状化対策は,飽和した緩い砂質土地盤に間伐丸太を打設することで,地盤を密実化させる工法である.本研究は,この丸太の代替材として木造建築物の解体時に発生する角材を利用し,廃棄物の再資源化を図るカスケード利用を目指すものである.木造住宅に使用されている構造材を調査した結果,丸太の寸法と同等の角材が多数得られることが確認できた.また,戸建住宅等の小規模構造物の液状化対策を対象として,丸太と角材の形状の違いが対策効果に与える影響,ならびに,液状化時の側方流動に対する抵抗力の違いについて模型振動実験による検討を行った.その結果,角材は丸太と同等の沈下抑制効果を有し,構造物周辺地盤で側方流動が発生した場合は,丸太よりも角材の方が水平および鉛直変位の抑制効果が大きいことを明らかにした.

著者関連情報
© 2016 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top