2016 年 72 巻 4 号 p. I_496-I_505
本稿では通信埋設管の浅層埋設区間に適用されるコンクリートで巻き立てられた区間に着目する.コンクリート巻き立て工法は地下管路の浅層埋設区間において道路工事等から管と収容ケーブルを保護することを目的として採用される.過去の震災の経験によりこの区間は地震時において被害を受けやすいという経験則は有しているが,地震時の挙動が不明であるため定量的な評価が実施できていなかった.地震時の着目区間の定量評価を目的として,地盤内のコンクリート巻き立て区間の挙動を把握するための試験を実施した.試験によりコンクリートで巻き立てられた区間の地盤拘束力を評価し,着目区間はコンクリートで巻き立てられていない区間と比較して大きな地盤拘束力が作用するということが明らかとなった.