抄録
東北地方太平洋沖地震において損傷を受けたRCラーメン高架橋に関して,これまで複数の文献においてその被害分析がなされており,プッシュオーバー解析等を行って柱部材の損傷進展について推察がなされている.本論文では,当該地震により柱部材に損傷を受けた第一中曽根高架橋について推定地震動を用いて3次元非線形動的解析を実施し,各柱部材および高架橋全体の地震時挙動を把握して,どのような過程で柱部材が損傷を受け,また各柱部材において損傷度になぜ差異が生じたのかについて考察した.RCラーメン高架橋の中間に位置する柱に比べて端部に位置する柱により大きな損傷が生じたのは,地震時に高架橋の回転変形モードが卓越したことが原因であるということを,数値解析的検討から明らかにした.