2016 年 72 巻 5 号 p. II_145-II_155
鉄道駅の既設高架橋では,高架下空間の有効活用といった機能向上のニーズが高まっている.筆者らは,コンクリート充填鋼管(CFT)柱を活用し,既設の高架橋を利用しながら柱を取替え・移設して柱間隔を拡大する工法を提案し,新設CFT柱と既設RC梁の接合法などの要素技術を開発してきた.柱を移設した高架橋では,新設柱と既設柱といった,剛性や耐力が大きく異なる柱が混在した構造系となるが,このような構造系の地震時挙動や耐震性能は不明であった.ここでは,柱-梁接合部の構造改良を行い,さらに地震時を想定した3次元骨組解析を行い,剛性が大きく異なる柱を有する高架橋の地震時挙動を把握した.さらに,2次元骨組解析などを用いて柱移設を簡易に設計する手法について検討した.