抄録
本研究では,既往の研究で開発されたトラス桁形式検査路の合理化および改良を図るために,ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)アングル材を用いてトラス格点部を補強するとともに,格点間距離を延長し,床版厚を小さくした実大模型(支間長5.8m)を製作して,その使用性と耐荷力を載荷実験により検証した.実験の結果,両モデルともに設計荷重に対するたわみ制限,振動使用性を満足すること,4点曲げ載荷実験からは,上弦材に破壊が生じたものの,最大荷重は設計荷重に対して4倍程度の余裕があり,十分に安全であるといえた.さらに,設計荷重における面外水平変位は小さいこと,弦材,斜材には,ほぼ理論値通りの軸力が発生していることから,トラス桁形式検査路は,トラス構造として効果的に機能していることが確かめられた.