2017 年 73 巻 2 号 p. 433-442
地表での設計地震動の簡易な設定法として,地盤固有周期による分類が用いられている.この固有周期は地盤が弾性挙動をした場合の卓越周期を表すものであり,非線形挙動の大小は考慮出来ない.そこで本検討では,非線形挙動の影響を考慮可能な分類法を提案した.本手法では固有周期に加え,地盤全体の強度に関わる指標(地盤強度比Kf)を用いることで,非線形挙動のしやすさも考慮した地表面地震動を選択可能となる.
提案法を多様な地盤に適用した結果,従来法と比較して同一分類内の構造物応答のバラツキが大幅に低減する.提案法は,一般的な地盤調査結果のみから評価できるとともに,任意の入力地震動レベルに対して適用可能であり,より合理的な耐震設計,耐震補強のための地盤分類の方法,地表面地震動の設定手法として有効である.