抄録
現在,港湾区域内の海岸保全施設の設計には,海岸保全施設の技術上の基準・同解説1)および港湾の施設の技術上の基準・同解説2)に基づいた性能設計が導入されている.文献1)では,目的達成性能の照査〈処理基準〉として津波堤防の天端高についての記述があるが,水平変位に対する記述は見当たらない.文献2)では,海岸保全施設の水平変位は,重力式係船岸の変形量を参照することができるとの規定があるのみである.このことから,海岸護岸の性能設計に用いる水平変位に関する照査基準には研究の余地があると考えられる.本研究では1995年兵庫県南部地震における神戸港の港湾被害を分析し,海岸護岸の設計地震に対する残留変形量を護岸天端幅の2倍とする照査基準を提案し,実際の海岸護岸の改良事業に提案した照査基準を適用した結果を報告する.