2017 年 73 巻 4 号 p. I_180-I_186
本研究では,非排水繰り返し三軸試験により,同等の密度とせん断波速度をもつ不攪乱試料と再構成試料の液状化強度特性を比較した.千葉市にてジェルプッシュサンプリングを行い,品質の良い沖積砂質不攪乱試料を採取した.再構成試料は試験後の不攪乱試料を用い,乾燥突き固め法・湿潤突き固め法により不攪乱試料と同等の密度になるように作成した.せん断波速度は供試体上部の加振機と側面の加速度計を用いて等方圧密中に測定し,再構成試料のせん断波速度が不攪乱試料と同等であることを確認した.試験結果より,同等の密度とせん断波速度を持つにも関わらず,不攪乱試料と再構成試料の液状化強度や繰り返し載荷中の挙動には違いがあった.年代効果によって生じるセメンテーション効果や供試体の構造異方性の違いが影響した可能性がある.