抄録
自治体等が津波対策計画を策定する上で参考となる人的被害評価手法を提案した.ある都市を対象として,複数の地震規模に対する津波人的被害の期待値を算出し,地域別に比較することで潜在的な津波リスクを示すことが可能になる.提案する手法を横須賀市に適用し,沿岸部の4地域について比較した.その結果,相模トラフ周辺で発生する可能性のあるM7~M8後半クラスの津波イベントを対象とした場合,行政・商業施設等が集中している東京湾内湾側(追浜~汐入,新港町~観音崎)よりも,東京湾外湾側(浦賀~津久井)や相模湾側(長井~秋谷)の方が人的被害のリスクが高いことが示された.