土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第36巻(論文)
平成23年東北地方太平洋沖地震による道路橋被害の統計分析
中尾 吉宏片岡 正次郎
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2017 年 73 巻 4 号 p. I_628-I_633

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抄録

 平成23年東北地方太平洋沖地震では,地震動及び地震後に発生した津波により,広い範囲で道路橋に多数の被害が発生した.道路橋被害の全体像を統計的に把握する取り組みとしては,橋長や径間数により被害が発生しやすくなること等に着目した分析結果がこれまでに報告されている.本報告では,被災橋梁の耐震設計に適用された技術基準や被災橋梁の平面形状等に更に着目し,道路橋被害の統計分析を行った結果を示す.検討の結果,平成8年以降の道路橋示方書が適用された道路橋は,被害が生じにくくなっていること,また,昭和55年道路橋示方書より古い技術基準が適用された道路橋は,優先的に進められてきた耐震補強や過去の地震被害発生後の更新・補強等により,被害が生じにくくなっていること等が統計的に示された.

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