抄録
石川県輪島市の北約50kmの日本海上に浮かぶ舳倉島は,能登半島北方沖の想定地震が発生した際,巨大津波の来襲により,島全体の浸水が予想されている.本稿では,まず,島内全域にわたり常時微動計測を高密度に実施し,得られた記録に基づき地盤震動特性を評価した.次に,評価した地盤震動特性とアスペリティモデルを組合せた強震波形計算を実施し,強震動作用中の避難困難時間を評価した.さらに,島内において避難歩行実験を実施することで,既設の避難施設までの避難所要時間を評価した.最後に,津波来襲時間から避難困難時間や避難所要時間等を差し引くことで,島内における避難困難区域を抽出した.