2018 年 74 巻 1 号 p. 158-172
阪神高速道路では,1982年に大規模な活荷重実態調査を行っているが,その後,ネットワークの拡充や車両制限令の改訂など,活荷重状況が変化している.近年,膨大な既設構造物の活荷重に起因する疲労損傷等が顕在化し,管理戦略を立案するうえでは,実態活荷重の把握とその評価が不可欠である.そこで,料金所に設置されている軸重計の計測データを取得するとともに,大型車両のETC利用率が95%以上に達していることから,豊富な情報量を有するETC車両データを取得し,これらのデータに基づき実態活荷重の調査を行った.
その結果,車重・軸重の特性を明らかにするととともに,過去に実施した調査結果と比較することで,外部環境の変化も含めた経年的な変化を明らかにした.また,設計活荷重との比較および鋼床版に対する疲労環境の評価を行った.