2018 年 74 巻 2 号 p. 202-213
道路橋の振動が原因と考えられる振動の苦情は,道路供用開始直後に生じるものと,供用後年月が経過して生じるものに大別される.前者の場合,道路建設による沿道居住者への新たな環境の変化などが考えられる.後者の場合,供用期間において苦情が生じ続ける場合があるが,近年の高速道路沿道ではある時期に苦情が生じる場合がある.この解決には振動発生要因を究明し対策を検討する必要があるが,振動発生要因のメカニズムについて十分に明らかにされていない.本研究は,このメカニズム解明のため橋梁振動及び家屋振動の相関を明らかにする効率的な測定手法を提案し,振動の苦情の原因分析と伝播経路について一例を示した.その結果,12.5Hz帯域付近の周波数帯域で橋梁と家屋が共振する可能性があることを明らかにした.