2018 年 74 巻 4 号 p. I_267-I_282
液状化地盤上にある既設橋台は,地震時に大きな被害をもたらすことが過去の震災から明らかとなっており,現行基準の要求性能を満足しない場合には早急な補強対策を講じる必要がある.本研究では,液状化対策工としてグラウンドアンカー工法と地盤改良工法を対象に,供用しながらまたは少ない交通制限で適用できる工法について提案し,模型振動実験によりその効果を検証した.実験結果から,橋台の応答変位抑制という点では,アンカー工法が優れていることが示された.ただし背後地盤の沈下量が大きくなることから,別途その対策を行う必要があることも分かった.また地盤改良工法について,特に橋台を改良体で囲う工法については橋台と改良体が一体となって挙動する場合には逆効果となる可能性も示唆された.