抄録
本研究では,津波発生時に自動車運転者に対し,避難情報を効果的に伝達する方法を検討することを目的に走行模擬実験を行った.実験内容は,ドライビングシミュレータを用いてバーチャルリアリティ空間内を自動車で走行し,津波から避難できるか否かを検討することである.実験時の被験者の行動や視線の動きなどから,津波避難時におけるカーナビから提供される渋滞情報とハザードマップの有用性を検討した.実験の結果,渋滞情報を表示するだけでは避難率向上の効果は大きくなかった.しかし,ハザードマップを表示したところ,多くの被験者がハザードマップに注意を向けながら避難ルートを選定しており,避難率も向上した.