2018 年 74 巻 4 号 p. I_917-I_925
筆者らは,耐震強化施設の桟橋を対象に実施されるレベル2地震動に対する耐震性能照査で用いるための鋼管部材のモデル化法を新たに提案した.提案法は,局部座屈が発生する鋼管部材の径厚比に応じた耐荷性能および変形性能の評価が可能である.本研究では,提案法の適用性を確認することを目的に,1995年兵庫県南部地震の際に被害を受けた神戸港の直杭式横桟橋を対象とした再現解析を実施した.その結果,桟橋の残留変位,鋼管杭における局部座屈の発生状況について,被災状況と整合する結果を得た.