2019 年 75 巻 1 号 p. 1-16
バラスト軌道において軌道狂いの進行を抑制することは,列車の快適な乗り心地を維持するうえで重要な課題である.列車走行時に生じる路盤振動は,この軌道狂いの進行に大きな影響を与えている要因のひとつと考えられる.そこで本研究では,実物大軌道における繰返し載荷試験および個別要素法を用いたシミュレーションモデルにより路盤振動がバラスト軌道の沈下に与える影響について考察した.研究の結果,路盤剛性が小さく,路盤振動が大きくなるとバラスト軌道の沈下量が大きくなることを定量的に示し,路盤振動の加速度が重力加速度を上回ると軌道沈下量が急激に大きくなること,軌道沈下量が路盤の振動速度と相関が高いことを明らかにした.