2019 年 75 巻 4 号 p. I_123-I_132
本研究では,インピーダンスの周波数依存性および上部構造物の非線形性を考慮した非線形時刻歴応答解析手法である佐藤の方法を対象として,その適用性の拡張を図った.具体的には,佐藤の方法では,インピーダンス虚部が低周波数域において一定値をとるような問題に対して適用性が担保されていなかったため,これを改善するような方法を提案した.その上で,SRモデルを対象として,インピーダンスの周波数依存性と上部構造物の非線形性を考慮した数値解析を実施し,低周波数域におけるインピーダンス虚部の再現性が上部構造物の非線形応答特性に与える影響に関して検討を行った.その結果,上部構造物の履歴減衰の影響が比較的小さい場合において,インピーダンス虚部の再現性の影響が顕著に表れることが示された.