2019 年 75 巻 4 号 p. I_189-I_198
水路橋の耐震性能照査の精度・信頼性の向上を目的として,鉄筋コンクリート製の水路橋を研究対象に,水路と橋脚等の接続状態が地震時応答にどのような影響を及ぼすかについて三次元動的解析により検討した.解析モデルは,水路と橋脚等の接続面を連続体とした連続モデルと接続面にジョイント要素を配置した非連続モデルの2種類を設定して比較検討した.橋軸方向に加振した場合,連続モデルでは水路で大きな地震時応力が発生した.一方,非連続モデルでは,接続面で剥離・滑動が発生し,それに伴い,水路で大きな相対変位が発生すること,地震時応力は水路では減少し橋脚基部で増大することが確認できた.水路橋の耐震性能に際しては,水路と橋脚等の接続面の非連続的挙動の考慮が必要であり,ジョイント要素を活用した三次元動的解析が有用である.