2019 年 75 巻 4 号 p. I_714-I_719
近年発生した大規模な地震を受け,災害時にも通信を確保する重要性は高まっており通信用管路の地震対策は喫緊の課題となっている.一方で被災する管路は限定的であり,全ての埋設管路に対策を実施する事は効率的ではない.そのため,より被災し易い管路を特定し,ピンポイントに対策を実施する必要がある.これまでの研究において,亘長,管種,微地形区分およびPGVを用いる事でクラス分類を行い,被災し易いと思われるグループを抽出するスクリーニング手法が提案されている.本稿では,このスクリーニング手法の高度化を目指し,これまで着目していなかった管路両端に接続されるマンホールの種類,大きさ,形状に着目し集計を実施した.この集計結果から被災し易い管路の新たな特徴の候補として,号数が比較的大きいもの,レジンコンクリートで出来たもの,分岐のある形状のもの,の三点を検討する.