2020 年 76 巻 3 号 p. 424-441
東京ガス(株)は地震時の2次災害防止を目的として,供給区域内約4,000箇所に設置した超高密度な地震計から構成されるリアルタイム地震防災システム“SUPREME”を導入している.SUPREMEは地震観測情報を速やかに収集し,即時に供給停止すべきブロックを特定するとともに低圧ガス導管の被害予測を行い,被害程度に応じた供給停止判断を支援する重要な役割を担っている.本研究では,2011年に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)における低圧ガス導管の被害に対して,被害形態や地形影響を考慮した詳細な分析・評価を行った.最終的には,ねじ接合鋼管の被害を継手と管体に区分し,地形分類ごとに独立した被害予測式を作成することで被害予測システムの高精度化を図った.